シェリル「みーちゃん結婚おめでとう!」

ノア「おめでとうございます」

ユウ「おめでとー」

ミィ「…………ハ?」

ユウ「やー、1年でゴールインか。ま、妥当なところじゃない?」

ノア「そうですね、早くどっか行ってください」

シェリル「の、ノアちゃんつめたい……」

ミィ「え……、え?」

ノア「こういうのって、披露宴とかやるんでしょうか?」

ユウ「さーねー。てかミィに合うドレスがないんじゃね?」

シェリル「大丈夫! そこはわたしが幽霊パワーでなんとかするから!」

ノア「相変わらず便利ですね、幽霊パワー……」

ミィ「ちょ……、ちょ、ちょっと待て!!」

ノア「どうしました人形さん。そろそろ死ぬんですか? どうぞ」

ミィ「死なねーよ!どうぞじゃねーよエセ天使!! つか、そういうことじゃなくてだな……」

シェリル「わたしケーキ入刀やりたーい」

ユウ「まず相手を見つけたら?」

シェリル「なんで?」

ユウ「いやなんでって……」

ミィ「聞け、そこ!おい変な脚と吸血鬼!!」

ユウ「あいあい」

シェリル「ちょ、なに変な脚って!?なんでわたしだけそんな呼び方なの!?脚差別はんたーい!!」

ノア「なんですか脚差別って……」

ミィ「あ゛ーーー! 聞けよ、つーか聞けよ! なんで話がどんどん違う方向に行くんだよ!!」

ユウ「だって、女の子だもん☆」

ミィ「死ね」

ユウ「うわ、ひでぇ」

シェリル「……で、みーちゃん、どうかしたの?」

ミィ「どうかしたじゃねーよ!! なんで私が結婚することになってんだって言いたかったんだよ死ね!」

シェリル「わ、わたしまで死ねって……」

ノア「落ち着いてください人形さん。いくら人形だからと言っても、冷静に話さなければ人形出来る話も出来ませんよ人形」

ミィ「何回人形つった!? てめぇ今何回人形つった!?」

ノア「4回です人形」

ミィ「ぶち殺す!!!」

シェリル「わー! みーちゃん落ち着いて! 冷静になって! いたっ いたっ わたしの顔はひっかかないで!!」

ユウ「ねー、この残念なコントいつ終わるの?」

ミィ「コントじゃねーよ!! つかもう、そういうことじゃなくて!! だっ、かっ、……ゼー、ゼー」

シェリル「あわわ、みーちゃん酸欠になってる! 深呼吸だよ深呼吸! さっ、一緒に、ひっひっふー」

ミィ「産まねーよ!!!!」

シェリル「うひゃあ!? すみません!?」

ノア「人形さん、正しくは『産まない』じゃなくて『産めない』ですよサイズ的に」

ミィ「てめぇ30回は死ね!!!」

ユウ「ねー、この残念なコントいつ終わるの?」

ミィ「2回言うな! だから私は、好きでコントみたいなことなんか……、 ……っ」

シェリル「あわわ、みーちゃんが泣きそうになってる! もーふたりとも、からかうのはそれぐらいにしてー!」

ユウ「はーい」

ノア「……はぁ」

シェリル「さ、みーちゃんいいよ。 お話、してくれる?」

ミィ「…………ん。 ……ええと、まず、私は誰と結婚するの?」

シェリル「“  ”だよ!」

ミィ「だれ?」

シェリル「え、ひど……。友達じゃん!」

ユウ「1年前から付き合って、一昨日プロポーズされたんでしょ? おめでとう!」

ノア「おめでとうございますさようなら」

ミィ「ま、待て待て待て! 付き合う!? プロポーズ!? 話が全く見えないの前に、身に覚えがなさすぎるわ!」

ユウ「照れ隠しか」

ノア「照れ隠しですね」

シェリル「照れ隠しなの?」

ミィ「違う! 照れてない! 話を聞け!」

ミィ「……は!? わかったこの展開、夢オチだな!? あの結末としては最低のオチの! もう最低でもいいから覚めろ!目よ覚めろ!」

シェリル「み、みーちゃん? どうしたの? 大丈夫?」

ミィ「心配された! シェリルなんかに心配された! やっぱり夢だ覚めろ!」

シェリル「な、『なんか』なんてひどいっ」

ノア「人形さん、なんだかよくわかりませんけど、現実を受け入れたらどうですか?」

ミィ「う、受け入れるも何も、私はそんなこと、一度もされた覚えは……!」

ユウ「―――……ミィ、いくら照れ隠しだからって、言っていいことと悪いことがあるわよ?」

ミィ「ち、違う! 照れ隠しじゃない! ましてや悪いことだなんて、」

シェリル「みーちゃん……」

ミィ「しぇ、シェリル、あんたはわかってくれるわよね? 私は本気で知らないの! プロポーズなんてされたことないの! わかって! ねぇ!」

シェリル「……ごめんねみーちゃん。わたしも、ユウちゃんと同じ気持ちだよ」

ミィ「えっ……」

シェリル「みーちゃんは覚えてないって言ってるけど、わたしは、覚えてるよ。みーちゃんが、『“  ”にプロポーズされた』って言ってたこと」

ミィ「な……、で、そ……」

シェリル「わたしだけじゃないよ。ここにいるノアちゃんも、ユウちゃんも、他のひとも。 みんな、みんな知ってるよ」

ミィ「ち……がう、そんなこと……ない」

シェリル「みーちゃん」

ミィ「違う……ちがう、ちがう!! こんなの違う!! こんなの私の知ってるシェリルじゃない! 親友じゃない!!」

シェリル「みーちゃん……」

ノア「―――人形さん、いい加減にしてください」

ミィ「ち……」

ノア「みなさんこう言っているんです、いい加減認めたらどうですか? それともまだ照れ隠しを続けるんですか?」

ミィ「が……だ……」

ノア「でしたら、私、ミィさんのこと、―――軽蔑します」

ミィ「ちがう……」

みーちゃん……

ミィ「ちがう……」

ミィさん……

ミィ「ちがう……ッ!」

ミィ……

ミィ「こんなの……! こんなの、私が知ってる世界じゃない!!!」





































































 みーちゃーん? いつまで寝てるのー? 起きようよー

 ミィ「……」

 ミィ「……最低のオチだわ」